世界でも権威があるとされる推理小説の賞、英国推理作家協会賞・ダガー賞の翻訳部門に、日本人作家の作品としては初めて選ばれた王谷晶さんに注目が集まっています。
日本人として初めての快挙に感動したと同時に、王谷晶さんはどんな人なんだろうと興味を持った人も多いのではないでしょうか?
- 経歴:英国推理作家協会賞・ダガー賞翻訳部門に日本人初の受賞
- 学歴:東京のデザイン系専門学校に進学したが、卒業は不明
- 性別:女性・レズビアンであることを公表している
- 本名:非公開・両親が事実婚なため母方の姓を名乗っている
この記事では王谷晶さんのプロフィールや学歴、執筆作品などをまとめました。
- 王谷晶の経歴を知りたい
- 王谷晶の性別や本名が気になる
- 王谷晶の学歴が知りたい
王谷晶のwiki経歴(プロフィール)

王谷晶さんは、個性的な家庭環境のもとに育ちました。
両親はもともと東京都・大塚で書店を営んでいましたが、王谷さんの誕生前に廃業。
その後は自然豊かな栃木県に移住し、父親は木工職人としての生活を始めました。
自宅は両親によるセルフビルドの手作り住宅で、電気は通っていたものの、水道はなく、料理はカセットコンロ、トイレは地面を掘った簡素なものという暮らし。
テレビもなく、ラジオと大量の本が情報源という環境で、一人っ子として育った王谷さんは、幼い頃から自然と本の世界に親しむようになっていったそうです。
名前:王谷晶(おうたに あきら)
生年月日:1981年頃
年齢:44歳(2025年7月)
出身地:東京都
家族構成:父、母
星座:水瓶座
血液型:AB型
王谷晶さんは幼少期から本に囲まれて育ちましたが、小学校時代は転校生だったためクラスに馴染めず、ほとんど学校に通えない時期がありました。
当時は地方にフリースクールなどの代替教育施設がなかったため、基本的に独学で過ごし、特に勉強した記憶は少ないとのこと。
そのため今でも書けない漢字が多いと語っています。
王谷晶の本名は?
ご両親が約40年以上にわたって事実婚であることを明かしており、そのため王谷さんは母方の姓を名乗っているとのことです。
子どもの頃から「お父さんとお母さんの名字が違うなんてかわいそう」といった心ない言葉をかけられた経験もあるそうですが、実際には名字が違うことで困ったことは一度もないと語っています。
王谷晶の性別は?レズビアンを公表した理由
恋愛やセクシュアリティについて明確な意思で選び取ったというよりも、自然と女性同士の関係性に惹かれる感覚が自身の中にあったのだそうです。
私は何度か同性愛を「治そう」と努力したことがあるけれど、全て見事に失敗しちゃったからだ
引用:現代ビジネス
推しの男性俳優や二次元の男性キャラがいても、現実の異性愛的な恋愛感情を持つことができなかったとのこと。
理屈や気合では変えられない“何か”が、自分の中に確かにある──そう王谷さんは語っています。
このように王谷さんは、自分の性のあり方を選んだというより、自然とそうであったと受け止めています。
上京とバイト生活、鬱との闘病時代
王谷晶さんの人生には、精神的な浮き沈みが大きく影響しています。
特に20代前半から30代半ばにかけては、鬱の闘病と向き合う時期となり、日常生活や創作活動にも大きな影響を及ぼしました。
- 18歳:上京、生活スタート
- 21歳〜28歳:実家で鬱闘病、焼酎週1本(4L)飲酒+抗鬱薬大量服用
- 27歳:総菜屋でバイトし、状況資金を貯める
- 28歳に再上京、トランク一つで新生活スタート
まだ20代という若さで、自分の人生がこのまま終わってしまうのではないかという強い不安と焦燥感に苛まれていた王谷さん。
そんな中、家にあった自己啓発本や、偶然読んだ作家の平山夢明さんのエピソードが、彼女に小さな光をもたらします。
一見地味な掃除という行動が、自分の気持ちを少しずつ整え、内側から回復への道を開いてくれたのです。
王谷晶の作家としての経歴

いずれ自分は作家になると思いつつも30歳になってしまった王谷さんは、「このままではまずい」と編集者に営業し、小説執筆の仕事を開始します。
電子書籍ブームの中、電子書籍レーベルや携帯ゲームのシナリオライターの仕事を獲得、人脈を広げながら同人誌をポートフォリオ代わりに使い、幅広いジャンル(エロ作品含む)を執筆、作家デビューを果たしました。
作家としての経歴
同人誌をポートフォリオ代わりに使い、幅広いジャンルを執筆していた王谷さん。
作家デビューしたとは言え、決して順風満帆とは行かなかったようです。
作家としての経歴
- 2012年:「猛獣使いと王子様」のノベライズ作品でデビュー
- 2021年:『ババヤガの夜』で第74回日本推理作家協会賞長編部門の最終候補に選出
- 2025年:英訳版"The Night of Baba Yaga"が英国推理作家協会賞の翻訳部門であるインターナショナル・ダガー賞を日本人として初めて受賞
オレンジ文庫からライトノベルやキャラクター文芸の小説を刊行するも売れ行きは芳しくありませんでした。
その後、ポプラ社出身の編集者から声がかかり、自由な内容でのWEB連載が単行本化、さらに重版されます。
次は王谷さんの執筆作品を見て行きましょう。
王谷晶の代表作一覧
王谷晶さんは英国推理作家協会のダガー賞を受賞しましたが、実際にはジャンルにとらわれず、多様なテーマとスタイルで物語を紡ぎ出す作家です。
その姿勢は物語の中で描かれる登場人物たちの関係性や生き方にも表れています。
王谷晶の作品リスト
◆小説
『猛獣使いと王子様 金色の笛と緑の炎』(2012年、一二三書房)
『あやかしリストランテ 奇妙な客人のためのアラカルト』(2015年、集英社オレンジ文庫)
『探偵小説(ミステリー)には向かない探偵』(2016年、集英社オレンジ文庫)
『完璧じゃない、あたしたち』(2018年1月、ポプラ社 / 2019年12月、ポプラ文庫)
『BL古典セレクション(3) 怪談 奇談』(2019年7月、左右社)- 原作ラフカディオ・ハーン
『ババヤガの夜』(2020年10月、河出書房新社 / 2023年5月、河出文庫)
『今日、終わりの部屋から』(2021年7月、U-NEXT電子書籍)
『君の六月は凍る』(2023年6月、朝日新聞出版)
『他人屋のゆうれい』(2025年1月、朝日新聞出版)
『父の回数』(2025年4月、講談社)
◆エッセイ
『どうせカラダが目当てでしょ』(2019年7月、河出書房新社)
『40歳だけど大人になりたい』(2023年4月、平凡社)など
ミステリ、キャラクター文芸、SF、ホラーなど、ジャンルを横断しながら、人間の曖昧さや関係性の揺らぎを丁寧に描いています。
自分自身の曖昧さを受け入れ、他人の曖昧さにも寄り添うという視点が、作品全体の大きな魅力になっています。
王谷晶の学歴

10歳ごろには「将来は作家になるのだろうな」と自然に思っていた王谷さんは、早い段階から書くことが自分の道になるという実感があったようです。
幼少期から本に囲まれ、読書三昧だった王谷さんはどのような学生時代を過ごしたのでしょうか。
ここでは王谷晶さんの学歴をまとめました。
王谷晶の出身中学・高校は?
学生時代の様子や過ごし方についてはいくつか語られています。
中学時代は最低限の通学にとどめ、日常の多くを読書に費やしていたそうです。
少女漫画に対して自分の中で共感できない部分が多く、そこから自身のセクシュアリティを意識し始めたと語っています。
高校には進学したものの、授業にはあまり熱心ではなく、学校の図書館を活用してさらに多くの本を読み漁る日々を送っていました。
中高時代にはBL小説の創作や同人誌の制作、趣味で4コマ漫画を描くなど、創作活動にも積極的に取り組んでいたそうです。
王谷晶の大学は?
ただ、進学先は本人いわく「名前を書けば入れるような学校」だったそうで、通う目的も学びというよりは、家を出るためだったようです。
入学後も授業にはほとんど出ず、ビデオ店や寿司屋、スナックなどでのアルバイトに明け暮れる日々を送っていました。
専門学校を卒業したかどうかは不明で、本人も「高卒」と語っていることから、最終学歴は高校卒と考えて良いでしょう。
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